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2019.04.03 Wed
周辺視野 vs 集中視野
【 周辺視野 と 集中視野 】
(ブログ記事のカテゴリは「身体の使い方」に入れましたが、身体というより「意識の使い方」に分類されるかもしれません)
ロルフ研究所の公式サイトでは、ロルフィングに興味があり、これから受けようと考え中の人向けに、ロルフィングをわかりやすく紹介する動画が掲載されています。
ロルファーのキャロル先生の動画では、短い時間ながら豊かな表現で「周辺視野」が伝えられていますのでご紹介します。
https://youtu.be/px1WNlUMGVo
(以下は、私の文です)
ロルフィング10シリーズでは、重力場に対する姿勢の楽な位置や動き方の再教育していきますが、筋膜を始めとする結合組織や骨格への直接的な手技は、あくまでも、目標とする状態に変化する事への妨げを緩和する手段として適用しています。
手技による介入や、ご本人が意識して心がけて実践する「身体の正しい使い方」の成果が、本当の意味で受けた人自身の知覚に馴染んで、長続きするためには、知覚(perception)の用い方そのものを変えていく必要があります。
ロルフィングを受けた経験がある方なら、ロルファーが「周辺視野」という言葉を用いるのを耳にしたことはあるかと思います。ここでいう視野は、物が見える視力の事を指しているのではなく、どのように外の世界を見て、一方で、自身の身体の内側で起きていることも同時に観察していられるための「物の見え方」を指しています。
これは、情報の受け止め方、外の世界への表現の仕方に関わる能力です。
自己の表現の仕方が、その人の身体の姿勢や動きの癖となります。癖が「その人らしさ」として残る分には歓迎される事ですが、その人自身の本来の姿と似つかわしくないパターンの繰り返しに陥ると、動きや流れに協働しない特定のエリアに停滞が生じ、いづれそのエリアに病気が起きやすい、という事にまで影響します。
その能力の発達が、重力が人間の身体を通り抜ける正中線上に近づけるサポートにもなっています。
肉体の各部位の痛んだ箇所だけの補修や部品交換のような事だけでは、肉体が見た目にまっすぐ整えられても、中心軸の感覚は発達しません。
内外のあらゆる情報に対してオープンでいられるために、筋骨格系に残っているしがらみ(の幾らか)を筋膜への働きかけ(※)で解放しようと試みているとも言えるかも知れません。
※ 筋膜への働きかけと書きましたが、受ける時の状態や文脈によって、手技を用いる目的は異なりますし、ハンズオン手技で扱っている組織は筋膜だけに限定していません。
ロルフィング10シリーズでは、身体の制限や緊張を緩めたり、組織自体の回復を促したり、場合によっては、活性化を測りながら、クライアント本人も知覚をポジティブな方向へ働かせるようなレッスンと言った感じでも進行します。
中心軸の感覚が、人間の構成要素である各体 (複数形のBodies、物質肉体だけでなくエネルギーレベルも含めた体) のそれぞれの層でアラインメントを確立させた時、人間は「重力」という一見は制限とみなされがちな空間に棲みながらも、中心軸からあらゆる方向性に対して自由でいられるようになります。
ロルフィングのセッションでは、その過程を、知覚を通して進めていきます。統合したものが、スパイラル状に進化していく感覚を、肉体とパーソナリティーレベルに落とし込む作業にもなります。
自分にとっての、オーダーメイドの「楽で快適な姿勢(注:正しい姿勢とは異なる)」を体感してみられたい方は、どうぞロルフィングを受けにいらしてください😊
http://easeofbeing.jp/
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2019.04.02 Tue
ロルフィングの説明は難しい
ロルフィングを学び始めて、もう10数年(2019年現在で15年目)になります。
いまだに 「ロルフィングって何ですか?」と人に聞かれる事はしばしばありますが、実のところ、ロルフィングのことを一言で、どんな人にもわかりやすい表現でお伝えできた試しがないような気がします。
「あなた何年ロルファーをやってるの!」とつっこまれそうですが (笑)
「ひとことで」 伝えるには、どうしても活字としての言葉だけでは表現しきれないのですよ。
なので、とりあえずは、初対面かつロルフィングを受けたことのない人には、簡単な言い方に留めてお話させていただくことも少なくありません。
簡単な説明で済ませておく時の一例:
「整体みたいなもの(でも、全く整体と同じではないかな?)」
「姿勢の状態や動き方のクセに自分で気づけるようになる」
「筋膜をゆるめる事をしながら、同時に楽な動き方・歩き方・座り方を身体で体得する」
「その結果、人によっては心の面でもポジティブになったり、不調や疾患だった箇所が健康になる相乗効果」
「歩き方も見ますが、歩き方講座でもない」
「辛い箇所をロルファーに揉んでもらったり、治してもらうだけでもないですよ」
(※ これはロルフィングに限ります)
「年齢を重ねても、(深刻な病気で医療処置が必要な段階でない限りは)マッサージや治療院、巷の健康ネタなどに、依存的にならないくらいの自己管理の術を身につけておくのに役立ちます」
「その人にとっての快適な状態に近づくために、まずはそれを邪魔している、身体の緊張をゆるめたり、姿勢を整えるワーク」
「そのために、五感などの知覚の使い方のレッスンをします」
「人によっては、心や物の見方や意識のもちようにも関係します」
「あくまでも身体に働きかけるワークでありながら、単に「痛いところを治す」だけでもないし、「リラクゼーション」や「癒し」だけでもないけど、自分の身体に意識的(自立的)になるよう」
「より快適で、無理や無駄のない状態に近づいていくために、身体の姿勢を整える」
などなど。
あ〜!だんだん説明が増えていって、結局くどい表現になっていきます・・笑
ぶっちゃけ言うと、相手の方の心身の状態や、今おられる周囲の環境や、自分の身体と心に対しての捉え方、過去にどんな治療法やセラピーを体験されているか?などによって、同じ説明をしても、皆さん受け止め方が違うので、言葉だけの説明を聞いていただくだけでは、「ロルフィングって何?」という事を知っていただくことは難しいです。
実際に受けてみて、感じてみて、その人なりの体験で得られたものが、「ロルフィング」って事になります。
でも、そんな事を言っちゃあ、皆さんに興味を持っていただけそうもありません(笑)
ロルフィングだけでなく、私のサロンで提供中の他の治療法やセラピーにも言えるのですが、本当にそのワークを必要としている方に受けていただくためにも、提供側としては、できる範囲で、わかりづらい事をよりわかりやすく、シンプルにお伝えできるようになりたいと常々から試行錯誤しています。
そのためには、きっと施術者の私自身が、ロルフィングに限らず、身体と心をひっくるめた「自分自身」について、深く知る体験を増やす必要もあるなぁ〜と、年数を重ねるにつれて、そう思うことが多い近頃です。
私自身も、自分が初めてクライアントとして、ロルフィングを初体験した頃から、ずいぶん年齢も重ねていますので、自分の人生観への変化と並行して、自分が提供させていただいているボディワークや治療法の捉え方も、どんどん変化してきています。
さきほど書いた「ロルフィングの簡単な説明」は、きっとロルフィングのほんの一角であって、ロルフィングの事を語りはじめると、もっと奥の深い意味合い(人間の意識など)も、いろいろ出てくるのですが、活字や言葉でのウンチクは脇においといて、まずは、興味をお持ちのその人が実際に 「からだが楽になった!」、「なんか快適〜」と体感していただくことを、一番に考えています。
あれやこれやと身体や心の周辺に、しんどいものがゴチャゴチャ散らかっている状態では、何を耳で聞こうが、知識を仕入れようが理解しようもない感覚というのがあるものです。
まずは「からだが楽になる体験」を得る手段は、何もロルフィングに限らず、他の治療法やセラピーでも構わないと思っています。
「からだが楽になる体験」と言っても、たった1回の施術で、即座に「からだの不調が完璧に改善する」に直結することは、あまりありません (長い年月かけてのお悩みなら尚更です)。
しかし、「からだが楽になる体験」 は、健康になる道を進んでいくための事始めとして欠かせません。
肉体的にも意識的にも、より深く体感する・味わうという瞬間を知っていないと先に進めないのです。
その瞬間に、私たちは、それまでの自分の心身がどういう状態だったか(今の現在地はどこにあるか)に気づくキッカケを与えられるからです。
例えるなら、
グーグルマップで目的地までの道順を調べたいのに、スマホが壊れていたり、電波が届かないとか、他の関係のない電波の干渉が多すぎて、今自分が立っている現在地が検出されないままでは、せっかくスマホという道具をもっていても、行き先案内としては使えないし、目的地すら検索できずに、あてずっぽうな道をさまよい歩くことになりますよね。
でも、整備されたスマホならどうでしょうか。不具合が多いせいで、頭も目も疲れやすくなる、イライラする、作業がはかどらない。。。そのうち不具合に対処するために自分の貴重な時間が割かれる。。。などの要因で、遠回りになる確率が減ってくる、という感じです。
からだがより良い方向に変化する前に、まずは、今の自分の状態把握ができることから着手して、それから、自らのチカラでそこから変化しうる可能性を熱望する意思を自覚するようになれば、本来の自分が「どんな風に楽になりたいのか?」の方向性も明確になります。わかりっこない最初の「からだは楽になる体験」はとても大切です。
こんなに長い文章を、読んでくださってありがとうございます。
ここまで読んでくださっている方には、きっと身体や心によいことを模索されている方が多いことかと思いますが、ご関心がありましたら、ぜひ ease of being にセッションを受けに来て、「からだが楽になる体験」を味わっていただければ幸いです。
ロルフィングでも、ロルフィング以外の施術でも、ご相談いただければ、その方にあった内容をご提案させていただきます。
| ロルフィング
| 19:57
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