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ロルフィング・ポエム

ロルフィング10シリーズを終えたクライアントさんが感想をポエム(詩)にしたため、表現してくださいました。

poem

実際にロルフィングを体験された方なら、お気づきになるかも知れません。10回のセッションで扱うテーマの1回1回分の全てがこのポエムに編み込まれています。

ポエムの言葉に表現されたこと以上のことを、身体でも受け取ってくださっていたんだなぁ〜と思うととても嬉しいです。

 

 身体を緩めて真を知ろう
 足の裏を感じて地面を知ろう

 地面から伝わってくる力を
 お腹へ背中へ頭を通り越して天へ

 私の身体は1人で支えているのではない
 大きな地球に支えられている

 安心して歩こう
 外の空間を感じて進もう

 視野を遠くへ 遥かかなたの音を聴く
 腕を広げて大きな空間を感じる
 その中に私という身体が居る

 些細なバランスの中に
 ふんわりと浮ぶ骨や筋肉が在る

 マインドで縛っていた身体は今、緩み
 背骨を軸に微細な細胞にまでつながった

 関節を感じ、筋肉の動きを感じ
 行こう、身体よ
 自由に心地よく軽やかに

 私は、風が通る身体に生まれ変わった




毎回のセッションは、それぞれに各回のテーマに沿って進行しますが、それをどう感じ、どう受け止め、そこに意味づけをしていくか(或は、しないままでいるか)は、受ける人自身の選択にゆだねられています。

ロルファーから道しるべとなる多少のガイドは提供されても、特別な定義づけは一切しません。その一方、「人間」という生き物であるゆえの形状や解剖生理は(個人差はあっても)よく似たものであり、複数の人間を横並びにしてみたときに、大方の人達の間で「こういう状態が楽だろう」という、ある一定の、よく似た状態においては共通して見られる質感というものが存在しています。

これらは、もっと大きいくくりで言ってしまえば、
人間に限らず、地球の上で生きてる生物すべてに共通している。

地球には重力があり、私達の肉体は、その重力下において活動しているから、今この形状や性質に進化しています。

なので「個体差」というものが生まれるよりも前に私達が持ち合わせている環境は、みんな同じ。

その大元になる土台にある「健全」の姿は、皆よく似たもんやで!ってこと(^^)

皆が共通してもってる一定の質の中から、個々の生育環境や土地、生きた時代背景、情緒をもつ生き物なら心理的要因、グループで群れる種ならそこから形成される文化などの各種要因によって、個体差が生まれてくるのだと思います。


身体の健康って、シンプルな見方をすれば、そういうことなんじゃないかな〜と思います。(説明の仕方が全然シンプルじゃないけど・笑)


じゃあ、大方の割合でいいからさ、楽で心地よい状態に近づいてみないかい?という提案を自分の身体に投げかけてみませんか、というのがロルフィング

もちろん、個々の症例や状況、その人を取り囲む環境の文脈によって、皆それぞれに重点をおく(強調して取り組む)必要があるポイントは異ったり、逆の道筋からアプローチする必要がある場合もありますが、ロルフィングでは、地球上の「重力(生命の健全の軸となるもの)」に沿った身体構造を確保することで、あまりゴチャゴチャと細工をしなくても、楽なやり方・道筋で、心身が自ら健全を見つけ出すことをサポートします。

サポートするだけ。

クライアントさんが「重力」という普遍的に変わらない性質を持つ安定した軸を、自分の体内で感じる・知ることを促すだけで、そこから自立していける事を目指しています(その結果、不調が改善されるという)。


アイダ・ロルフ博士の言葉
『重力がセラピスト』です。

意識とか感情的なことは目に見えない非物質的なものですが、私達の身体はやはり物質的な肉体の中で存在しています。

重力が、私達の身体に、天(スカイ)の方向はどちらにあるか ⇔ 大地(グラウンド)の方向はどちらにあるか、を教えてくれる真の道標。天と地の狭間で、重力ラインに沿って、実際の肉体も、精神も、両方ともがアラインメント(整列・整う)される時、私達は更に高いレベルの健康へと近づくことができます。

「重力」って聞くと、何か重たいもの、や私達に制限を与えるもの、というイメージがありますが、その性質を理解すれば、ほんとは色んな可能性を許してくれる存在であることが、体験的に学べるのがロルフィングと言ってもいいかも知れません。

ちなみに、
そういった状態に近づきながらも、その変化のエネルギー源は、自分の心身の心地よい在りようの中にある事、すなわち、自分の中には既に安心できる器(コンテナー)が用意されているという事実を体験してみましょうか?というのがバイオダイナミクス、といった感じでしょうか。


最後はトピックから外れた話になりました(笑)


Mさん、ありがとうございます

Mさんのロルフィング体験談(活字版)はこちら。







大阪・梅田でロルフィング - http://easeofbeing.jp/
重力に逆らわない姿勢と動作。内側からにじみ出る心身美の探求。


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リルケの詩

私の好きなポエムの1つです。

ロルフィングの創始者、アイダ・ロルフ博士にもこれとよく似た印象の名言(※)がありますが、Structural Integrationや重力の専門家でなくたって、こんなに身近にも、重力との共存に気がついて、それを詩に込めた人がいたことを知って、感銘深く思った詩です。


気づいている人は、初めから知っているのですね。



2005年7月、
私自身のボールダーでの卒業式で、この詩をクラスメイトの前で朗読しました。
当時の英語力では、これをそれなりの日本語にまとめる能力が足りず、
多少あいまいな理解のままで、この詩を理解していました。

そして今回、2009年11月、
私が携わらせていただいた日本開催トレーニングでの卒業式でロルファーの仲間達となる方々の前でも朗読させていただきました。
それまで英語のまま読んでいた詩したが、この日のために、つたない英語力ながら日本語訳を付けました。

日本語に翻訳しているうちに、さらにこの詩の奥深さと、
2005年の当時よりもはるかに、この詩に共感と理解が深まっている自分自身を感じました。ロルファーになりたての頃よりもずっと、ロルフィングが私自身にとっての生活の一部になってきていることの実感でもありました。

以下は、原文と、私の(つたない)翻訳です (^^;)



How surely gravity’s law

strong as an ocean current

takes hold of even the smallest thing

and pulls it toward the heart of the world.

Each thing―

each stone, blossom, child―

is held in place


Only we, in our arrogance
push out beyond what we each belong to

for some empty freedom

If we surrender
to earth’s intelligence

we could rise up rooted, like trees.

Instead
we entangle ourselves

in knots of our own making

and struggle, lonely and confused.


 So, like children, we begin again

to learn from the things

because they are in God’s heart
They never left Him

This is what the things can teach us
to fall
Patiently to trust our heaviness

Even a bird has to do that
before he can fly

Rainer Maria Rilke(リルケ:オーストリアの詩人)
詩集 “Love Poem to God” より


---------∞☆∞-----------


重力の法則はかくも確かなもので
海の潮流のごとく強く、
ごく小さなものでさえ捉えて離さない
地球の心臓へと引き寄せられるがままに

すべてのもの
石、花、子供までもが
或るべき位置に存在する

私達だけが、その傲慢さの中で

自分の本来の居場所から
どこか空虚な自由へと押し出そうとしている

もしも私達が、この聡明な大地に
ただぶら下がることさえできるならば、
まるで木々のように、
大地に根付いて立ってられるだろう

自分で作り出した困難のせいで
身動きできなくなることもなく
もがいて、孤独で、混乱することもなく

そう、子供達のように
私達は再び学び始めるだろう

なぜなら、それは神の心臓の中に存在するもので
神は決して置き去りにはしないからだ

これが私達に教えてくれるもの

明け放つということを
私達は、ただその重さを信じ、身を任せるのみ

鳥でさえも
飛び立つ前にそうしているのだから


日本語訳 by Takayo Miyamoto



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